福岡のクリーニングのプロが設立した日本洗浄士協会が運営する、行列のできる「キレイ」相談所が皆さまのご質問にお答えします。

歯石やタバコのヤニ、コーヒーやお茶の色素などは歯の外側についている汚れです。
これは、超音波の振動で分解させたり、スケーラーという器具で機械的に取り除きます。
しかし、黄ばんだ歯の色を変えることはできません。
ホワイトニングは歯の内部に作用して、歯そのものの色を漂白剤で化学的に白くしていくやり方です。
歯を削ったり麻酔をかけたりする必要がないので歯にとっては優しい治療法です。
冷たいものがしみるという症状が出ることもありますが、一時的なものです。
歯の漂白剤には『過酸化尿素』という漂白剤が使われます。
安全性が高く、適切に使用している分については身体への影響はほとんど心配がいりませんのでご安心ください。
ホワイトニングの種類
大きく分けて2通りの方法があります。
①オフィスホワイトニング
歯科医院の治療室で行います。高濃度の過酸化水素（35％）を使います。
1回につき1時間くらいの処置です。通常2～３回の来院で終了します。
短時間で効果をあげられますが薬剤の浸透が弱いために白さがやや不自然で
長続きしません。
②ホームホワイトニング
自宅でできる方法です。まず歯型を取ってマウスピースのようなトレーを作り
10％の過酸化尿素の漂白剤を入れて行います。
1日2時間ぐらいの使用で2～３週間ぐらいで白くなっていきます。
私個人としては、自然な白さを手に入れるためにホームホワイトニングをお勧め
しています。
①と②を組み合わせたデュアルホワイトニングという方法もあります。

できる歯とできない歯があります。
入れ歯や差し歯、詰め物など人工の歯は白くなりません。
またテトラサイクリンという抗生物質を子供のころに服用したことによって
変色した歯もホワイトニングではきれいにはなりにくいです。
歯の治療のために使った金属から溶けだしたイオンによる変色や神経をぬいた
後に起こる歯の変色もきれいにはなりません。
このような歯の変色の治療には歯を削ってかぶせものをしたり、歯の表面にセラミック製の白いつけ爪のようなものを張り付ける方法があります。

変色の程度、原因、もともとの歯の色調などにより個人差があります。
ここで誤解を招きやすいのが、ホワイトニングでは決して真っ白になるわけではないということです。色調が明るくなったり、透明感が増してくるような感じです。
御希望の歯の色の通りには白くならない場合もあります。

残念ながらホワイトニングで白くした歯はまた後戻りして変色してしまいます。
コーヒーやお茶など色の濃いものを食べたり、タバコを吸ったりすることなどで、
大体半年から1年ぐらいで後戻りします。白さを維持するためには6か月ごとの点検、タッチアップ（追加のホワイトニング）をお勧めします。

ホワイトニングで使うお薬は安全ですが、妊婦の方に対する安全性は確立されていません。
出産後（せめて授乳期間が終わってから）に行う方がよいと思います。